漢方医学について

漢方医学とは?
文献や資料に基づいたエビデンスはあるの?

日本漢方の歴史

日本の漢方は、中国の伝統医学(古代中国大陸の世界観(陰陽五行論)を源流とする医学)が、律令国家成立前後から取り入れられ、時代とともに江戸・明治にいたるまで、多くの先人たちの経験と試行錯誤の中で洗練され、日本人の体質に合った医療として独自に発展・確立されてきました。

明治から昭和初期にかけての漢方廃絶の政策にも耐え抜き、生き残りました。戦後の偉大な漢方医の先生方のお力と漢方を支持していただく多くの患者様に支えられた結果です。

日本漢方の大きな特徴の一つは

先人達が、診断や治療の要点を記録し、後世に受けつがれてきたことで、その発展・成立過程が、資料的に確認できるという点にあります。 現代の日本では、最新医学を学んだ医師が、中国の古典(『傷寒論』『金匱要略』)とともに、先哲の経験知を文献的にも、また診療の陪席を通して、「口訣」として継承し、日々の診療に利用しています。

漢方のいくつかの文献は、『日本思想体系 近世科学思想』(岩波書店)にも「近代科学・医学の思想的準備段階にあるもの」として位置付けられ、収載されています。

漢方診療の特徴と現代医学との違い

現代の最新医学では

病気の有無やその程度を詳細かつ緻密な検査技術で評価、診断し、新薬等で治療をします。病名や病状、検査の結果が同じであれば、治療はどんな人でもほぼ同じになります。(同病同治)

漢方診療では

「人の心と体のバランス」を評価します。それには日常の養生(食事、運動、睡眠など)の状態も含まれています。それぞれの方の体調に最もよいバランスされた状態を「中庸」といい、体質に合った漢方薬がそれに近づくように働きます。同じ病気でも異なる薬となり、また逆に異なる病気の方に同じ薬が処方されたりします。(同病異治、異病同 治)

発熱などの急性疾患については

その病状や発症からの経過により薬が変化していくことがあり、同じ人で同じ病気であっても刻々と体の状態の変化を診ていく診療であることも大きな特徴の一つです。

先端医学の緻密な検査データを使用することなく、人間の体の状態を東洋医学的に診察することにより、患者さんの「今日」と「明日」の状態を推察していきます。

注意!:ご病状の把握や病気の診断および漢方薬の副作用をチェックするために、血液検査等は必要となります。

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